相続体験談:遺産相続で最も心がけてほしい事柄はトラブルの回避

遺産相続で交錯する家族の思い

人が財産を残してこの世を去ったとき、ほとんどの場合、その遺産を誰かが引き継ぎます。
この遺産を引き継ぐ被相続人には、様々な思いが心の中を駆け巡ります。
亡き母の相続で、私たちは、初めての相続を体験しました。

我が家のエピソード:母の死

母は昭和13年に満州で生まれ、終戦とともに本土へ帰還してきました。
その後、大学時代に父と出会い、結婚、私たち5人の男児を生み育て、享年72歳で人生を全うしました。
母は、五人の息子たちに、毎月少しずつ積み立て貯蓄した郵便局の保険を残してくれておりました。
父も、そのことは承知のようで、私たちに何かを求めることはありませんでした。

家族間でのお金の貸し借りが問題になる

ひとつ、問題になったのが、私が、母より数百万円を借りていたことです。
商売上必要なお金でしたが、他で借りることができずに、父に口利きをお願いした再に、母が病床から私に内緒でと出してくれたお金でした。
母が逝った後に、弟から、「お母さんから借りていたお金をどうするか。」と尋ねられ、気付きました。
よくよく考えてみると、通帳は弟が管理していたので、事情を知っていておかしくないと思いました。
しかし、その時点で全額を返済する余力はなく、贈与を受けた形で処理したい旨を弟に伝えました。

贈与税と相続税では課税率が異なる

贈与税は相続税よりも遥かに高く、資金義理を圧迫しましたが、他に思いつく手もなく、納税致しました。
他の兄弟が、このことを知っているかどうかは定かではありませんが、当の弟は、それについて何も言いませんでした。
贈与が母の意志であると飲み込んでくれたのだと思います。
遺産相続で最も心がけてほしい事柄、それは、残された者達がそれぞれに揉め事に発展しないように、最大限の努力をするということです。
とかく金融資本主義といった言葉がもてはやされる現代ですが、遺産相続を通じて、親兄弟、親類が仲良く助け合うことが何者にも勝る人としての資本であることを再確認でました。